犬の発情 女の子の生理=(ヒート)や男の子の発情行動

可愛い男の子の写真

発情は、種を保存するために起こる自然な営みです。少々手が掛かることもありますが、発情期を理解することで適切に対処することができます。


<犬の発情期とは>

発情期とは、交配することで女の子が妊娠可能な時期をいいます。繁殖のために必要な排卵へ向かう状態です。

発情中は以下のような行動変化がみられることがあります。

・落ち着かない

・散歩に行きたがらない

・食欲が無い

・あまり動かない

・不安そう

・オスの近くへ行きたがる  など

普段と違った様子を見せます。体が妊娠できる状態になり、ホルモンバランスがいつもと違うためストレスを感じやすく、神経質になることがあります。


<犬が発情する時期>

女の子の発情は、季節と関係して春(35月)と秋(911月)にそれぞれ1回発情するという説と季節に関係なく58カ月の間隔で発情する説があります。

男の子には発情期がありません。成熟して交配できるようになると、発情した女の子のフェロモンに反応して発情します。


<犬の性成熟>

トイプードルの様な小型犬の場合、生後18カ月程度で成熟します。最初の生理は、生後8か月~12カ月頃に迎えます。初めての生理の時期は個体差があり、体格の小さな犬は比較的遅い傾向がみられます。

 

最初の発情期はまだ成長過程であるため、交配する場合は2回目以降の発情期が望ましいといえます。男の子の場合も同じ頃から女の子のフェロモンに反応するようになり、2km以内にいるフェロモンを感じ取れるようになります。

 

フェロモンに反応した男の子の行動として、遠吠えやマーキングが見られます。遠吠えやマーキングは、自分の縄張りを示し女の子に自分の存在を知らせるために行います。

また、発情している女の子を追いかけてマウンティングする行動も見られます。普段は温厚な犬でも、発情期の女の子を巡って奪い合いの争いをすることがあります。


<尿フェロモン>

発情期になると女の子も頻繁にマーキングすることがあります。発情期は、尿にエストロジェンという発情ホルモンが分泌されます。この発情ホルモンの匂いで男の子はフェロモンを感じ取るため、女の子はマーキングによって男の子に発情を知らせるのです。


<女の子の発情行動>

発情期になると、ホルモンの影響によって体調や行動にさまざまな変化がみられます。不従順になったり情緒が不安定になることもあります。

 

1.生理=(ヒート)と発情期

発情前期になると生理が見られます。生理が始まった日から10日目前後が排卵日で受胎可能な状態となり、受胎の準備ができると発情期となります。

一般的には、下の図のようなプロセスですが、生理から排卵日までの期間は個体差や体調によって異なります。見た目には、陰門の発赤や腫大がみられ、発情前期の終わりから発情期の初期にかけてピークを迎え、排卵後に縮小して発情後期となります。

発情のプロセス表

2.犬の発情周期

 

・発情前期

受胎の準備として生理が始まります。生理の発見は陰門の出血がみられることが普通ですが、発情しても出血しないこともあります。発情前期になると脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、卵巣内の原始卵胞を刺激していくつかの卵胞が成長します。

卵胞刺激ホルモンがピークに達すると黄体ホルモン(LH)が分泌され、排卵に向かいます。卵胞が成熟し、排卵が近くなると出血の色が薄くなり、陰門の腫大がみられます。

行動の変化としては、散歩に行きたがらないようになったり、落ち着かない行動が見られたりすることがあります。この段階では、まだ男の子を受け入れる行動はしません。

 

・発情期

発情期になると男の子を受け入れて、マウンティングを許容するようになります。卵胞が十分成熟すると黄体ホルモンの影響により卵子が子宮近くへと移動します。この状態が排卵となり、排卵から34日の間に受精すると受胎します。出血の色が薄くなり、陰門の腫大がピークになるのが特徴です。

 

・発情後期

発情期が終わると卵子の受精能力が無くなり発情の終了へと向かいます。この時期を後期といいます。この時期になると男の子を許容したがらなくなり、性ホルモンの分泌も徐々に収まります。体調や行動も普段の状態へと戻って行きます。交配により受胎した場合は、妊娠期間(63日)を発情後期とすることもあります。

 

・無発情期(休止期)

発情と発情の間の時期で、卵巣内の黄体が完全に消滅します。体調や行動も完全に普段の状態になります。

 

・偽妊娠

犬の性ホルモンであるプロジェステロンやプロラクチンの影響で偽妊娠が発現することがあります。個体差がありますが、主に乳汁の分泌、食欲不振、家から離れたがらなくなる、営巣したり母性行動をとるなどの様子が見られることがあります。発情期の46週間後にみられ、おおむね1015日間で終了します。

偽妊娠については諸説あり、正常な生理反応であるという見解とホルモン異常であるという見解があり、明確には解明されていません。


<発情期の注意点>

特に注意が必要になるのは、発情期の免疫低下による感染症です。発情期は、分泌されるジェスタージェン(プロゲステロン)の分泌や発情のストレスによりコルチコステロイドが分泌されます。これらのホルモンによる免疫抑制作用の影響を受け、免疫機能が低下します。

免疫低下により、細菌やウイルス感染のリスクが高まるため、飼育環境の消毒や外出時の注意が必要です。

 

1.ドッグラン、トリミングなどの利用

この時期は、細菌感染のリスクが高まることからトリミングサロンの利用や他の犬との接触は控えた方が賢明でしょう。不慮の妊娠を避けるため、あるいは周囲の男の子たちの争いを避けるため、ドッグランの利用は控えましょう。多くのドッグランでは、発情中の利用を制限しています。

 

2.発情期の対処法

犬の発情期の行動変化には、大きく個体差があります。愛犬の反応によって対処方法もさまざまです。例えば、散歩に行きたがらない場合は、無理に散歩に行く必要はありません。ケージから出てこない時はそっとしておいてあげましょう。不従順になることもありますので、しつけやトレーニングは、お休みしたほうがいいでしょう。

 

食欲不振になることもあり、ウェットフードやドライフードをふやかして食べやすいものをあげることで多少の改善はできます。繰り返しになりますが、最も重要な対処法は他の犬との接触を避けることです。感染の可能性が高い外出やトリミングサロンなどの利用は控えましょう。


<ヒートのケアグッズ>

生理の出血で室内を汚してしまうことがありますので、マナーパンツ(サニタリーパンツ)を使用すると良いでしょう。マナーパンツは出血で汚されないこと以外にも、「男の子の反応を抑える」「不慮の妊娠を防ぐ」といったことにも効果的です。生理に気が付いたときから、出血が収まったあと1週間ほどまで利用します。

 

マナーパンツを長時間つけたままにすると雑菌の繁殖によって感染症を起こしてしまいますので、こまめに交換してあげましょう。また、マナーパンツをはいていることで、ウンチがしにくかったり、我慢してしまったりすることもあります。ケージに入れているときはマナーパンツを脱がせるなどの工夫が必要です。


<不妊去勢手術>

発情は、女の子の場合避妊手術をすることで無くなります。男の子の場合は、去勢後もマウンティング行動が残ることもあります。

 

一般的に避妊や去勢を勧める傾向がありますが、手術によるメリット・デメリットがあります。例えば、女の子の場合、避妊手術は、子宮や卵巣を摘出するので性ホルモンの分泌が無くなります。子宮や卵巣を摘出することで、生殖器官の疾病は無くなります。ただし、性ホルモンは、骨の生成に大きく影響するため骨粗しょう症のリスクが高まるデメリットもあります。また、避妊手術により子宮がんや卵巣がんのリスクは、無くなりますが、心臓血管肉腫や骨肉腫のリスクが高まります。避妊や去勢はよく考えて判断することをお勧めします。


発情は、動物が種を保存するための自然な生理現象です。少し手が掛かることもありますが、発情期を理解することで適切に対処することができます。発情期は、イライラや不安感など愛犬もストレスを感じることがあります。いつもより少し優しく接してあげるとよいでしょう。

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