主な飼育のポイント

主な飼育のポイントレットのトイプードル

トイプードルの飼育のポイントについては、多くのホームページや書籍による情報がありますが、何を信じていいか、迷うこともあるのではないでしょうか。

ブリーダーとして、飼育の実体験の中で、知っておくべき飼育のポイントについて解説します。

基本的な考え方

犬も人間同様に喜怒哀楽など複雑な感情があり、食の好みや好きな遊びの違いなど、それぞれに多彩な個性を持つ動物です。

それぞれに個性があるという事は、犬として一様にとらえるのではなく、その子に合ったしつけの仕方や生活習慣を見つけ、信頼関係を気築いていくことが重要です。

例えば、元気いっぱいの子犬は、お散歩やドッグランで思い切り走るのが好きで、運動不足になるとストレスに繋がってしまいます。そういうタイプの子は、ボールを投げて取ってこさせる芸やアジリティ競技が向いているといえます。

反対に大人しく従順な子は、膝の上に乗るのが好きで、いつも穏やかに癒してくれます。そういったタイプの子は、ご主人様のいう事をよく聞いてオスワリやマテなどの覚えが早いのですが、ご主人様と離れている時間が長すぎるとストレスになってしまいます。


しつけや健康管理、お手入れなど飼育全般について、それぞれの子に合った対応を見つけてあげることが、子犬を迎えたご家族と愛犬の幸せに繋がります。

マニュアルや一つの考え方に偏らず、愛犬の状態をよく観察し、変化を知ることで感情や好みを理解してあげる姿勢が最も大切です。

最初のコミュニケーション

お迎えしたばかりの子犬は、知らない環境に戸惑いとても心細い状態です。周囲に危険がないか、自分がどうなってしまうのか不安でたまらない精神状態にあります。

初めての場所でおトイレの場所もわからず、粗相してしまったとき、「駄目よ」「あ~」などとつい、声を出してしまうと、子犬は、それだけで怯えてしまい一層不安になってしまいます。

トイレトレーニングだけは、最初にしつけたいと考える方も少なくないのですが、まずは、子犬を安心させて平常な精神状態にしてあげることで、本来の賢さが発揮され、様々なことを覚えてくれるようになります。

第一歩は、安心して生活できる状態を促してあげることにつきます。


・子犬の気が済むまで、周囲を探索させて危険が無いことを理解させる

・ご家族とのコミュニケーションの時間を十分にとる

・手からフードを上げたり、優しく接して、子犬に歓迎されていることを理解させる

・決して怒らない、驚かせない


詳しくは、「子犬を迎える前に」をご覧ください。

子犬との接し方

犬同士のコミュニケーションは、カーミングシグナルにより交わされています。カーミングシグナルとは、犬同士が言葉ではなく、表情や動作、吠え方などで感情を伝え合うサインです。

犬同士が初めて会うとき、お互いに弧を描き回り込みながら側面から相手に近づいていきます。この動作は、相手に敵意が無いことを表す動作です。

人間が子犬に近づくとき、可愛らしさから無意識に正面から近づいてしまいますが、犬にとって知らない相手が直線的に近づいてくることは、攻撃性を表す動作と感じるため、警戒してしまいます。幼い子犬は、恐怖心を感じてしまうことになります。

無意識に近づいたとき、子犬がひるむ素振りや少し逃げる素振りを見せたときは、恐怖を感じていると判断できます。

また、人間の背の高さは、犬にとって驚異的な大きさです。大きな動物が上から迫ってきたら恐怖を感じるのは、当然のことなのです。

十分に信頼関係ができてからは、嬉しくて一直線に駆け寄ってくるようになるのですが、お迎え当初に子犬と接するときは、近づき方や触り方に注意することで、信頼関係を早く築くことができます。


・直線的に近づかない

・急いで近づかない

・上から手を出さない

・大きな声(音)を出さない


犬は、精神的にとてもナイーブな動物です。お迎え当初に恐怖を感じさせるとトラウマとなり、とても長い間、近づいてくれないようになることがあります。そうなるとその後のしつけや生活の上で、不要なご苦労が生じます。愛犬と接する楽しみが半減してしまうことが無いように十分注意することが賢明です。

子犬の健康管理

最も子犬に多い体調不良原因の3大要素は、「低血糖、脱水、低低温」といわれています。

<低血糖症>

成長期の子犬は、成犬と比べ代謝も活発で、成長するために多くの栄養を必要とています。そのため、食事から消化吸収までが短時間で行われることから1日3回以上の食事が必要です。

食事の間隔が長い、あるいは食事量が少ないと低血糖症になることがあります。

低血糖症の症状として、


・元気がない

・ふらつく

・呼んでも反応が無い

・動かない、立てない


これらの症状がみられる場合、応急処置としてブドウ糖やガムシロップなど急激に血糖値が上がるものを舐めさせるのが有効です。

軽度の場合、血糖値が戻ると元気になるのですが、念のため、獣医師の診察を受けることをお勧めします。


<脱水>

次に多いのは脱水です。食事や運動の後にすぐ水が飲めるように、近くに給水器や器で新鮮な水を置いておきます。子犬は、遊びに夢中になって水を飲むことも忘れてしまうため、時折、水を飲むように促すようにしましょう。

健康な状態であれば、さほど心配する必要はないのですが、夏の暑い時期は、体温を下げるためにハァハァとパンティングする頻度が増えるため、十分んナ水分補給が必要です。

また、感染症などが原因で嘔吐や下痢が見られる場合、水を飲んでも吸収できないことがあるため、点滴などの治療が必要な場合があります。嘔吐がある場合、水を飲ませたことで更に嘔吐を誘発させることがあるため、直ちに病院へ連れて行きましょう。脱水の症状は、


・元気がない

・呼んでも反応しない

・無気力


これらの疑いがある場合、確認方法としては、


・首の後ろの皮膚を引っ張って、すぐに戻るか

・ハグキを触って唾液がべたついていないか


など確認します。よくわからない場合は、直ちに病院へ連れていきましょう。

厚い時期は、脱水が引き金となり、熱中症を引き起こすことがあります。犬は、のどが渇いたことを表現できないため、こまめに給水させるように管理しましょう。


<低体温症>

冬場に多い低体温症ですが、特に生後2カ月未満の幼齢期は、体温調節が未発達で低体温症をおこしやすい傾向があります。トイプードルの平熱は38度程度なので、35度以下になると低体温症となります。低体温症の症状として、


・震えや筋肉の硬直

・心拍数減少

・血圧低下


北欧原産のシベリアンハスキーやジャンボマラミュートなど-20度でも眠ることができる犬種もいますが、室内犬のトイプードルは、人間の適温に慣れているため、子犬の場合の適温は、20-25度、成犬では20度前後です。留守番の時や就寝の際、室温管理など体温が下がらないような環境に気を付けましょう。

詳しい健康管理については「トイプードルの健康管理」をご覧ください。

<怪我>

健康な子犬は、多動でいたずら好きなことから、飛び降りや走りまわることによる怪我に注意する必要があります。特に、抱き上げたときの飛び降りによる事故が多い傾向があります。立って代あげるときや抱き上げて移動するときは、十分注意が必要です。

また、ソファーや椅子程度の高さからの飛び降りで怪我をすることがありますので、高い位置に上らせない工夫が必要です。できれば階段の上り下りもさせない方が望ましいといえます。

性格環境の準備について、詳しくは「飼育環境」をご覧ください。

しつけ

しつけは、愛犬の危険防止と人間社会の中で、犬が共調するために必要なことを学習させることです。しつけのコツは、できた時のご褒美をタイミング良く行うことと成功体験をさせることです。ご褒美は、その子の好みによりおもちゃやおやつ、オーバーアクションで褒めるのも有効です。褒めるタイミングは、できた瞬間です。最初の内は、少し怪しくても褒めましょう。ご褒美がもらえるシチュエーションを理解させることが、期待となり上達へと繋がります。

犬は、褒められるのがとても好きです。ご主人が嬉しそうにすると犬も楽しい気持ちになるようです。「何かを命令される⇒褒められる⇒楽しい」この一連の流れを体験させることができると楽しく遊んでもらっていると感じ、トレーニングを楽しむようになります。


反対に犬の集中力が途切れてもしつこく訓練したり、ご主人様が「なんでできないの?」「この子はダメなの」などのネガティブな感情を持ったり、イライラすると、犬は敏感に感じ取り萎縮してしまいます。犬は、言葉を放さないため、その場の雰囲気でご主人様の感情を受け取っています。

萎縮すると本来の知能や賢さが発揮されず、まごまごしてトレーニングを受け入れることができなくなってしまいます。

上手にしつけを進めるためには、トレーニングするご主人がおおらかな気持ちで、愛情を深く接することがとても大切です。遊びの延長として愛犬と楽しむつもりで取り組むのがポイントです。

しつけについて詳しい解説は「しつけについて」をご覧ください。

【関連人気記事】