犬が持つ本能的な行動であり、縄張り（テリトリー）を守るため、自分の存在を他の犬に誇示するための行動だと考えられています。よく見ると、マーキングをする時にはなるべく高い位置を狙ってオシッコをかけようとしています。これは、他の犬に対し自分は体が大きく強い犬だと思わせるための行為であり、小型犬の中には逆立ちしてマーキングする犬までいます。

家具、物へのマーキングの場合には、犬から飼主へのシグナル的な行為の可能性があります。実際には犬が何を考えてその場所・物を選んでいるかはわかりませんが、「嫉妬」や「怒り」、「異常」を飼主に伝えようとしている可能性もあります。「いつ」「どこで」「何に」マーキングをしているのかをよく観察して、行動の原因やきっかけを見つけることでしつけをしやすくなるかもしれません。
マーキングとは本能的な行動なので、止めさせることは容易ではありません。しかし、飼主との主従関係がしっかりとできていて、トイレのしつけや散歩のしつけがきちんと出来ていれば、マーキング行動を防いだり、コントロール出来るようになります。毎日、犬の様子を観察して変わったところがないかを確認し、基本的なしつけの部分をしっかり行うことが大切です。
マーキングをするのはオスだけではなく、メス犬もオス同様にマーキングをします。メスの場合には半年に一度くらいヒート（発情期）がやってくるので、この時期になるとオシッコをあちこちにする行動がみられることがあるため、オスのマーキングと同様に対処することが必要になります。